Quartus II: FPGA開発ツール

プロジェクトの新規作成

ある設計をFPGAに実装する一連の作業のためのデータ群を「プロジェクト」と称する。 FPGAデータ開発は、プロジェクト作成から開始する。
  1. Quartus IIを起動し、プロジェクトの新規作成を開始する。
  2. [Next]をクリックする。
  3. プロジェクトに関する基本設定を行う。
    最上位階層エンティティ名(Verilog-HDLの場合はモジュール名)を指定することで、どのHDLファイルを用いて回路合成するか指定したことになる。
    また、ここで指定したエンティティのポートがFPGAの入出力ピンに対応付けされることになる。
    設定したら[Next]をクリックする。
  4. 設計の対象となるファイル(HDLファイルなど)を指定する。
    [...]ボタンをクリックしてファイル選択ダイアログを表示する。ファイルを選択して[Add]ボタンをクリックする。

    必要なファイルを全て指定し終えたら[Next]をクリックする。
  5. FPGAチップの種類を選択する。
    DE1ボードを利用する場合、「EP2C20F484C7」(Cyclone II)を選択する。
  6. [Next]をクリックする。
  7. [Next]をクリックする。
プロジェクトが作成できると、以下のような状態になっているはずである。


コンパイル(回路合成)と入出力ピン割当て

まずコンパイルを行い、Quartus IIに、設計データが必要とする入力信号、出力信号を認識させる。その後に入力信号、出力信号のそれぞれをFPGAチップの信号入出力ピンに割り当てる。これは、実際にFPGAボード上でクロック発振器(入力)、スイッチ(入力)、LED(出力)などの配線状況に基づいて、正しくピン割り当てを行う必要がある。
なお、DE1ボード上のスイッチやLEDとFPGAピン番号の間の対応関係は、DE1ボードのマニュアルに記載されている。
  1. まずコンパイルを行う。

    コンパイルが正常に完了すると以下のような表示になる。
  2. 「Pin Planner」を起動する。
    信号名と具体的なピン番号を対応づけるため、Pin Plannerを利用する。

    Pin Plannerウィンドウの様子を以下に示す。
  3. [Location]欄をダブルクリックし、表示されるピン番号一覧から、信号に割り当てるピン番号を選択する。

    例えば信号"CLK"には、50MHzクロック信号を入力するが、DE1ボードではクロック発振器が生成する50MHzクロック信号がFPGAのピンL1に接続されている。したがって、信号CLKをピンL1に割り当てている。
    いくつかピン番号を割り当てた例を以下に示す。


    ピン割り当て操作を繰り返せばよいのだが、信号が多い場合には非常に手間がかかるので、tclコマンドを用いた一括割り当てを行う。
    まず、これまで割り当てた結果を利用するため、割り当て状況をファイルとして保存する。それには[Export]を行う。

    Exportウィンドウで、tclコマンドを保存するファイル名を指定する。

    以下のような内容のテキストファイルが作成される。

    このファイルの書き方を参考に、残りの信号についてピン割り当てを記述する。
    記述が完了したら、Quartus IIに実行させる。


    エラーがないか、もれなくピン割り当てができたか、Pin Plannerを再度開いて確認するとよい。
  4. ピン割り当てが完了したら、再度コンパイルを行う。


回路をFPGAにダウンロードする

ピン割り当てを含めてコンパイルした結果生成されるFPGA回路データをPCからFPGAに送りこむことを「プログラミング」または「ダウンロード」と言う。
ダウンロードは、USB-Blasterという機器を用いて行うが、DE1ボードはUSB-Blaster機能が内蔵されており、PCとDE1ボードをUSBケーブルで直接接続すればよい。
初めてDE1をPCに接続すると、USB-Blasterのデバイスドライバのインストールが要求される。 デバイスドライバをインストールする際に、以下の場所を指定する。
C:\altera\11.0sp1\quartus\drivers\usb-blaster
なお、先頭の「altera\11.0sp1」の部分はQuartus IIのバージョンやQuartus IIインストールに指定したフォルダによって異なるので、適宜設定すること。
  1. ダウンロードツールを起動する。
  2. ダウンロードに使用するハードウェアを選択する。

    表示されるウィンドウで[USB-Blaster]を選択する。あるいは、[Add Hardware]をクリックしてUSB-Blasterを追加してから選択する。

    USB-Blasterのデバイスドライバが正しくインストールされていれば以下のような表示になるはずである。
  3. [Start]ボタンをクリックするとダウンロードが開始する。



2012/05/01 Kazuhito Ito